再建築不可物件とは?建て替えられない理由と手放す方法Column
2026年9月18日
この記事では、「再建築不可」と言われた家がなぜ建て替えられないのか、その理由を建築基準法の接道義務から説明します。あわせて、建て替えができない家が売れにくいと言われる背景と、壊さず現状のまま手放すための考え方をお伝えします。相続した実家が該当するかどうかを確かめる出発点にしてください。
再建築不可物件とは
再建築不可物件とは、今ある建物を取り壊すと、その土地に新しく建物を建てることが原則として認められない物件のことです。今の建物に住み続けたり、修繕して使ったりすることはできますが、更地にして建て直すことができません。相続した実家の査定を頼んだところ、不動産会社から「この家は再建築不可です」と言われて初めて知った、という方も多くいらっしゃいます。
見た目は普通の家なのに、なぜそのような扱いになるのでしょうか。理由は建物そのものではなく、土地と道路の関係にあります。
建て替えられない理由は「接道義務」
建築基準法には「接道義務」という決まりがあります。建物を建てる敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない、というものです。火災や災害のときに消防車や救急車が近づけるように、また住む人が避難できるようにという趣旨で設けられています。
この条件を満たしていない敷地では、原則として建て替えができません。大阪市内の古い住宅地には、幅の狭い路地に面した家や、路地の奥にあって道路まで細い通路でしかつながっていない家(旗竿地と呼ばれます)が多く、こうした家が再建築不可に当たることがあります。今建っている家は、接道義務が定められる前に建てられたか、当時の道路の扱いが今と違っていたために存在している、というケースが多いようです。
「43条2項の許可」で建て替えられることも
接道義務を満たしていなくても、建築基準法43条2項の許可(いわゆる「但し書き」)を受ければ建て替えができる場合があります。ただしこれは、周囲の状況や通路の幅、行政の判断によって個別に決まるもので、事前に確実と言えるものではありません。「許可が取れるかもしれない」という前提で計画を立てるより、まずは取れない場合を基準に考えておくほうが、あとで困りにくくなります。
再建築不可の家が売れにくい理由
再建築不可の家は、一般の売買市場で買い手が付きにくいと言われます。いちばん大きな理由は、住宅ローンが付きにくいことです。金融機関は建物を建て替えられる前提で担保を評価することが多いため、再建築不可の物件では融資を受けにくくなります。すると、現金で買える人か、自分で修繕して使うつもりの人に買い手が限られます。
買い手が限られると、一般の仲介で「広告を出して買主を待つ」方法では時間がかかり、売れないまま空き家として持ち続けることになりがちです。相続した家が再建築不可だった場合、この点が手放しにくさの本当の原因になっています。
持ち続けるとどうなるか
売れないからといって放置すると、別の問題が出てきます。2023年12月に施行された改正空家法では「管理不全空家」という区分が新設され、窓が割れている、雑草や樹木が茂っているなど、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家が対象になりました。市区町村から指導、勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地は6分の1)が外れ、土地の固定資産税が上がることがあります。
再建築不可の家は建て替えができないぶん、傷んだままになりやすい面があります。手放す方法を早めに考えておくことが、結果として負担を抑えることにつながります。
それでも手放す方法
建て替えができない家でも、手放す道はいくつかあります。
- 隣の土地の所有者に相談する。隣地と合わせれば接道の条件を満たせることがあり、隣地の方にとっては土地が広がる利点があります。ただし相手の事情によるので、当てにしすぎないほうが無難です。
- 修繕して自分で使う、または貸す。建て替えはできなくても、今の建物を使い続けることはできます。ただし修繕費用と、その後の管理の手間は残ります。
- 再建築不可の物件を扱う買取会社に相談する。買取は不動産会社自身が買主になる形なので、住宅ローンが付くかどうかに左右されません。現状のまま、解体や修繕をせずに引き渡せる場合があります。
どの方法が合うかは、家の状態、路地の幅、隣地との関係、ご自身がどのくらいの期間で手放したいかによって変わります。ひとつの方法に決める前に、複数の選択肢を並べて比べてみてください。なお、連棟長屋の真ん中の区画については、接道とは別に「切り離し」の問題があるため、別の記事で改めて取り上げます。
まとめ
再建築不可とは、接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たさないために、建て替えが原則として認められない物件のことです。住宅ローンが付きにくいため一般の仲介では買い手が限られますが、隣地への相談や、現状のまま買い取る会社への相談など、手放す方法はあります。放置して管理不全空家になる前に、選択肢を確かめておくことをおすすめします。
空き家バンクドットコムでは、再建築不可・長屋の物件の相談を受け付けています。写真を送るだけで、最短6時間で回答します(営業時間 9〜19時・水曜定休。営業時間外のお申込みは、翌営業日の正午までにご連絡します)。相談無料・秘密厳守で、他社への連絡はしません。お電話は0120-23-7374でも承ります。
なお、当社でお受けしているのは大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・和歌山の物件です。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法務の判断は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度の内容は2026年9月時点のものです。