相続登記の義務化|期限2027年3月末と空き家の売却Column
2026年10月31日
この記事では、相続した空き家の名義が亡くなった親のままになっている方に向けて、相続登記の義務化の中身と期限、遺産分割がまとまらないときの手続き、そして傷んだ空き家を現状のまま手放すまでの段取りを整理します。昔に相続した家も対象になる点と、2027年3月31日という期限を中心にまとめました。
相続登記の義務化とは
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続した人の名義に変える登記のことです。これまでは申請するかどうかが相続人に任されていましたが、2024年4月1日から義務になりました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。空き家になっていて誰も住んでいない家でも、扱いは変わりません。
昔に相続した空き家も対象|期限は2027年3月31日
見落とされやすいのが、2024年4月1日より前に相続した不動産も対象になっている点です。親が亡くなってから何年も名義を変えずに置いてきた空き家も、この義務の中に入ります。
その場合の期限は2027年3月31日です。2026年10月時点で、残りは半年を切っています。「いつか片付けるつもり」で置いてきた家ほど、書類集めに時間がかかることがあるため、早めに動き始めると安心です。
時間がかかりやすいのはこんな家
祖父母の代から名義が変わっていない家、相続人の中に連絡の取りにくい人がいる家、遠方に住んでいて現地に行けない家は、手続きの準備に時間がかかりがちです。相続人の確認や話し合いに、思ったより日数がかかることもあります。思い当たる方は、まず登記簿で今の名義を確かめるところから始めてください。
名義が親のままだと売却の段取りが組みにくい
空き家を売るときは、売主から買主へ名義を移す登記を行います。名義が亡くなった方のままでは、この段取りを組むことができません。手放すことを考えている家ほど、相続登記は先送りにしにくい手続きです。
遺産分割がまとまらないときは「相続人申告登記」
兄弟や親族のあいだで、誰がその家を引き継ぐか決まらないこともあります。話し合いが長引いているあいだに期限が来てしまう、という心配に対して用意されているのが「相続人申告登記」です。
相続人申告登記は、自分が相続人であることを申し出る簡易な手続きで、これによって義務を果たせるとされています。ただし、家を誰が引き継ぐかを決める手続きではないため、売却に進むには、あらためて話し合いをまとめる必要があります。具体的な手続きは、司法書士や法務局に確認してください。
傷んだ空き家・家財が残った家はどう進めるか
相続登記の期限が気になって調べ始めた方の中には、家そのものの状態に悩んでいる方も多くいます。雨漏りがある、床が傷んでいる、家財が手つかずのまま残っている、といった家です。
こうした家は、修繕や片付けを終えてから売ろうとすると、費用と時間がかかります。訳あり物件の買取では、建物の状態や残置物(家に残された家財道具)を含めて、そのままの状態で金額を出すことがあります。登記の手続きと並行して、「直さずに手放した場合にいくらになるか」を早めに知っておくと、相続人どうしの話し合いも進めやすくなります。
「売るかどうか決まっていないのに査定を頼んでいいのか」と迷う方もいますが、金額の目安が分かると、誰が引き継ぐか、売って分けるかといった話し合いの材料になります。写真だけでおおまかな見立てを出せる相談先もあるため、現地に行けない方でも始めやすい方法です。
- まず確認すること:登記簿上の名義、相続人が誰か、家の現在の状態
- 並行して進めること:相続登記(または相続人申告登記)の準備と、現状のままでの査定
- 期限を意識すること:2024年4月より前の相続分は2027年3月31日まで
相続空き家の特例や相続放棄の期限とも関わる
相続した空き家には、相続登記のほかにも期限のある制度があります。たとえば相続放棄は、相続を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。また、相続した家を売ったときの3,000万円特別控除は、2027年12月31日までの譲渡が適用期限です。
どの制度が自分に当てはまるかは、相続の時期や家の状況で変わります。税金や手続きの細かな判断は、税理士・司法書士などの専門家に確認しながら進めてください。
まとめ
- 相続登記は2024年4月1日から義務。取得を知った日から3年以内に申請し、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象
- 2024年4月1日より前に相続した空き家も対象で、期限は2027年3月31日
- 話し合いがまとまらないときは、相続人申告登記で義務を果たせる
- 名義が親のままでは売却の段取りが組みにくい。傷んだ家は現状のままの査定も並行して取る
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出典
(2026年10月31日確認)
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法務の判断は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度の内容は2026年10月時点のものです。