管理不全空家とは?固定資産税の特例が外れる仕組みColumn
2026年10月31日
この記事では、空き家を何年もそのままにしている方に向けて、改正空家法で新しくできた「管理不全空家」とは何か、固定資産税の住宅用地特例が外れる仕組み、そして直す費用が出せない家を現状のまま手放す考え方を整理します。税金が上がると聞いて不安になっている方が、まず知っておきたいことをまとめました。
管理不全空家とは
2023年12月13日に施行された改正空家法で、「管理不全空家」という区分が新しく設けられました。このまま放置すれば「特定空家」になるおそれのある空き家のことです。
目安として挙げられているのは、窓が割れたままになっている、雑草や樹木が茂って手入れされていない、といった状態です。倒壊のおそれがあるほどではなくても、管理が行き届いていないと見られれば対象になりえます。
特定空家との違い
従来は、倒壊のおそれがあるなど状態の悪い「特定空家」だけが、税の優遇を外す対象でした。改正後は、その手前の段階である管理不全空家でも、税の優遇が外れるようになっています。
つまり、「まだ倒れるほどではないから大丈夫」とは言い切れなくなったということです。何年も人が出入りしていない家は、外から見て手入れが止まっていることが分かりやすいものです。
自分の空き家が当てはまりそうか見るポイント
- 窓ガラスが割れたまま、雨戸が外れたままになっていないか
- 庭の雑草や樹木が道路や隣の敷地にはみ出していないか
- 郵便物やチラシがたまり、長く人が来ていない様子になっていないか
指導から勧告まで|固定資産税の特例が外れる流れ
管理不全空家に当たると判断されると、市区町村からまず指導があり、改善されなければ勧告に進みます。この勧告を受けると、土地の固定資産税の「住宅用地特例」が外れます。
住宅用地特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を軽くする仕組みです。小規模住宅用地では6分の1、一般住宅用地では3分の1に軽減されています。勧告によってこの軽減がなくなるため、土地の固定資産税が最大で約6倍になることがあります。
正確には「税率が6倍になる」のではなく、「軽減の特例が外れる」ということです。実際にいくら上がるかは土地の広さや評価によって異なるため、具体的な額は市区町村の税の窓口で確認してください。
特定空家に進むと解体まで求められることも
空き家の管理は、所有者の責任です。管理不全空家の段階でも改善されず、状態が悪化して特定空家になると、勧告の先に命令、さらに行政代執行へと進むことがあります。行政代執行とは、所有者に代わって行政が解体などを行う手続きで、その費用は所有者の負担です。
「税金が上がるだけなら払えばいい」と考えていても、放置が続けば負担は税金だけにとどまらない場合があります。早い段階で、直すのか、手放すのかを決めておくことが大切です。
直す費用が出せないときの選択肢
指導を受ける前に手入れをすれば、管理不全空家と判断されずに済むこともあります。ただ、遠方に住んでいる、修繕費が出せない、家財が多くて手が付けられない、という事情で動けない方も少なくありません。
- 自分で管理を続ける:草刈りや窓の補修など、定期的な手入れを続ける
- 補助制度を調べる:大阪市には空家利活用改修補助事業や、老朽住宅の除却に関する制度がある(対象エリア・条件あり)
- 現状のまま手放す:修繕や片付けをせず、そのままの状態で買い取ってもらう
大阪市の補助制度は、条件や年度で内容が変わります。大阪市都市整備局の耐震・密集市街地整備 受付窓口(06-6882-7053)で確認してください。
現状のまま手放すという考え方
割れた窓や茂った庭木、残された家財をそのままにした状態でも、訳あり物件の買取では金額を出せることがあります。直してから売るか、そのまま手放すかは、修繕費と手間、これから払い続ける税金を並べて比べると判断しやすくなります。
まとめ
- 管理不全空家は、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家。2023年12月13日施行の改正空家法で新設
- 指導→勧告と進み、勧告を受けると住宅用地特例(6分の1・3分の1)が外れる
- その結果、土地の固定資産税が最大で約6倍になることがある。実額は土地によって異なる
- 特定空家まで進むと、命令・行政代執行(費用は所有者負担)に至ることもある
- 直せないときは、補助制度の確認と、現状のままでの査定を並べて検討する
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出典
(2026年10月31日確認)
- 国土交通省「空き家対策 特設サイト(管理不全空家と固定資産税の住宅用地特例)」
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」
- 大阪市「大阪市の空家等対策について」
- 大阪市「空家利活用改修補助制度」
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法務の判断は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度の内容は2026年10月時点のものです。