事故物件の告知義務はいつまで?売買のルールをガイドラインで確認Column
2026年9月19日
この記事では、家族が亡くなった家を売るときに、その事実をどこまで、いつまで買主に伝える必要があるのかを、国土交通省のガイドラインをもとに整理します。賃貸と売買で扱いが違うこと、告知の対象外とされる場合とその例外、そして告知したうえで手放す方法まで、順にお伝えします。
「告知義務はいつまで?」に答える前に
「事故物件 告知義務 いつまで」と調べると、「3年」という数字を目にすることが多いと思います。ただ、この3年は賃貸の話であって、売買には当てはまりません。ここを取り違えると、あとで買主との間でトラブルになりかねないので、まずは基準となるガイドラインを確認しておきましょう。
基準になるのは、国土交通省が2021年10月に公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」です。不動産会社が取引の際にどう対応すべきかをまとめたもので、売主ご本人にとっても、何を伝えるべきかを考える出発点になります。
ガイドラインで告知の対象外とされる場合と、その例外
ガイドラインでは、次のような場合は原則として告知の対象にならないとされています。
- 自然死や、日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)
- 隣接する住戸や、共用部分で発生した死
老衰や病気で亡くなること、家の中で転んで亡くなることは、誰にでも起こりうることだからです。ただし注意点があります。自然死であっても、発見が遅れて特殊清掃が行われた場合は、告知の対象になりうるとされています。「自然死だから伝えなくてよい」とご自身で決めてしまうのではなく、状況を含めて不動産会社に伝え、判断を仰ぐのが安全です。
賃貸は「概ね3年」、売買には期間の定めがない
ガイドラインでは、賃貸については事案の発生から概ね3年が経過すれば原則として告知の対象外とされています。一方、売買については期間の定めがありません。つまり、売買では年数が経っていても告げるのが基本、と理解しておくのが正しい読み方です。
売買は賃貸より金額が大きく、買主がその家に長く住むことが前提になるため、判断に影響する事情は伝えるべき、という考え方が背景にあると考えられます。さらに、期間や事案の種類にかかわらず、買主から問われた場合や、事件性が高く社会的影響が大きい場合は告知が必要とされています。
売主として気をつけたいこと
売主の立場で大切なのは、知っていることを不動産会社に隠さず伝えることです。伝えたうえで、告知の要否や伝え方は不動産会社が判断します。ご自身の判断で「言わなくてよいだろう」と省いてしまうと、売った後に発覚したときに、契約上の責任を問われるおそれがあります。
相談の前に、次のような点を整理しておくと話が早く進みます。亡くなった時期、家の中のどの場所か、発見までにどのくらい時間がかかったか、特殊清掃を行ったかどうか、近隣の方がその事実を知っているかどうか、といった点です。細かく思い出すのはつらい作業ですが、告知の要否を判断する材料になります。
「告知すると売れなくなるのでは」と心配される方は多いのですが、事情を承知のうえで買う人はいます。一般の売買市場に出す前に、事故物件を扱う会社に相談すれば、現実的な選択肢を先に知ることができます。
告知したうえで手放す方法
家族が亡くなった家をそのまま持ち続けるのは、気持ちの面でもつらいものです。手放す方法としては、事情を伝えたうえで一般の仲介で売る方法と、事故物件を扱う買取会社に現状のまま売る方法があります。
買取であれば、告知の内容を承知のうえで会社が買主になるため、買主探しに時間をかけずに済みます。残置物が残っていても、そのまま引き渡せる場合があります。気持ちの整理がつかず片付けや清掃が進んでいなくても、その状態のまま相談して差し支えありません。価格が付きにくい物件については、状況によって無償での引き取りを含めて相談できることもあります。まずは状況を伝えて、どんな形が可能かを聞いてみてください。
まとめ
事故物件の告知は、賃貸では概ね3年という目安がありますが、売買には期間の定めがなく、告げるのが基本です。自然死や日常生活の中の不慮の死、隣接住戸や共用部分での死は原則として告知の対象外とされていますが、特殊清掃が行われた場合や、買主から問われた場合、社会的影響が大きい場合は対象になります。売主としては、知っていることを不動産会社に伝え、そのうえで手放し方を相談するのが安心です。
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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法務の判断は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度の内容は2026年9月時点のものです。